Columns

Lab Grown Diamond

ラボグロウンダイヤモンドとは

ラボグロウンダイヤモンドをご存知ですか?
ラボブロウンとは、研究所(ラボ)で育つ(グロウン)ダイヤモンドのことで、合成ダイヤモンドや人工ダイヤモンドとも呼ばれます。採掘された天然ダイヤモンドと同じ条件で作られるため、天然ダイヤモンドと完全に同じ構造を持ちます。

天然のダイヤモンドは10億年以上前に地球の表面下100マイル(161キロ)以上の極端な温度と高圧の場所で、炭素原子が強固に結合し、2100oF(1150oC)以上の高温および大気圧の45,000倍の圧力の下で形成された結晶です。

これに対して、ラボグロウンダイヤモンドは高度な科学技術の適用によりこのプロセスを大幅に効率化し、ラボで同じ環境を再現して作られます。
自然界から採掘されるダイヤモンドと同一の構造を持ち、プロの鑑定士であっても天然のダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの識別は難しいと言われています。専用の機械の助けを借りて初めて、天然ダイヤモンドとの違いを特定することができるほど、天然のダイヤモンドと変わらない特性を有しています。

More read ラボグロウンダイヤモンドとは

なぜラボグロウンダイヤモンドが注目されているのか

永遠の愛の象徴とされるダイヤモンドは、10〜30億年もの長い年月をかけて自然が育んだ希少な鉱物。
その希少性に込められたロマンもダイヤモンドの価値の一つであり、自然からのかけがえのない贈り物です。

しかしながら、クリアで美しいダイヤモンドを手に入れるのは簡単なことではありません。ラボグロウンダイヤモンドは、美しいダイヤモンドを手にするための新しい選択肢のひとつとして注目を集めています。

エシカルである

ダイヤモンドが多く産出されるアフリカ地域では、1980年代から90年代にかけて多くの内戦が勃発しました。 これらの内戦が引き起こされた原因、また長期間にわたって続いてしまった原因の一つが、実はダイヤモンドだと言われています。 内戦時には「ダイヤモンドを売ってそのお金で兵器を購入する」という負の流れが生まれていました。 紛争の資金源となっているダイヤモンドを「ブラッド・ダイヤモンド」と呼びます。

天然ダイヤモンドを巡る問題に対し、各国の政府やダイヤモンド業界、NGOは、ダイヤモンドの原 産地を認証する制度を策定するよう動き、不正取引されたダイヤモンド原石の輸出入を規制する国際的な証明制度、 「キンバリー・プロセス証明制度」が採択されたのです。

現在では、取引されている天然ダイヤモンドの99.8%以上が、紛争とは関係しない地域で採掘されたものだと保証されています。 またダイヤモンドの採掘現場では多くの子どもたちが無償の労働を強制されており、彼らはほとんどの場合、休憩や食料の配給もありません。 煌びやかな輝きの裏には紛争や人権問題が潜んでいるという現実が天然ダイヤモンドにはあります。 ラボグロウンダイヤモンドは研究所で人の手で作られるダイヤモンドであり、紛争問題に関わっていないことが明白です。 そのような理由からエシカルな選択肢としてラボグロウンダイヤモンドを選ぶという考え方も広まりつつあります。

環境負荷が少ない

天然ダイヤモンドは、約30億年前に地球深部のマントルで結晶化したといわれています。 その後、火山活動によって地表に押し出されたマグマは、ダイヤモンドを含んだ岩石「キンバーライト」となりました。 地中に残ったパイプ状のキンバーライトは、ダイヤモンドの採掘される場所であるキンバーライトパイプ鉱床となりました。 キンバーライトパイプ鉱床での採掘は、露天掘りや地下採鉱といったさまざまな方法で行われますが、 採掘が自然に与える影響を懸念する人もいます。 採掘を必要としないラボで生成される合成ダイヤモンドは、サステイナブル(環境負荷が少ない)という点でも評価されているのです。

ラボグロンダイヤモンドの特徴と価値

天然ダイヤモンドに比べて、リーズナブルに手に入るのもラボ グロウンダイヤモンドの魅力のひとつ。
ラボ グロウン ダイヤモンドの価格相場について解説します。

天然ダイヤモンドの相場価格の1/2

天然ダイヤモンドは希少であるがゆえ、高い値段で取引されます。 一方で人の手によって作られるラボグロウンダイヤモンドは安定的に製造でき、 そのコストも天然ダイヤモンドの採掘に比べるとずっと価格を抑えることができます。 そのため多くの場合、天然ダイヤモンドの相場価格の2分の1程度で取引されています。

希少価値の高いカラーダイヤモンドも低価格に

天然のカラーダイヤモンドは採掘量が非常に少なく、無色のダイヤモンドに比べてもずっと高価です。 美しい個体は一般には流通せず、小さなものでも数億円するといわれています。 一方、ラボ グロウン ダイヤモンドは配合する成分を完全に調整できるため、さまざまな色のダイヤモンドを生成することが可能です。 ラボグロウンダイヤモンドによって手の届かない存在だったカラーダイヤモンドがより身近になり、 ダイヤモンドの楽しみ方が増えていくことでしょう。

ラボグロンダイヤモンドの品質と評判

ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ光学的特性を持っています。 そのため、肉眼で天然ダイヤモンドと見分けるのはほぼ不可能です。 プロの鑑定士であっても天然のダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの識別は難しいと言われています。

ですが、厳密には両者が全く同じというわけではありません。 天然ダイヤモンドは不純物のない炭素であるとされていますが、実際のところ、窒素や、色に影響を与えるホウ素といった他の物質も含んでいます。また、長い年月をかけて生成する過程で、ごく小さな異物を含むことも少なくありません。

だからこそ天然ダイヤモンドには、その個体にしかない、唯一無二の輝きがあり、地球の歴史とともに歩んできたロマンが感じられます。 一方、ラボグロウンダイヤモンドは研究所で完全にコントロールされた環境で作られ、配合する成分を自在に調整できます。そのため、不純物を全く含まないクリアな結晶を安定的に作ることが可能なのです。

ラボグロンダイヤモンドの将来と展望

ラボグロンダイヤモンド市場の予測と成長

世界的に有名な市場調査会社Report Oceanの調査ではラボグロウンダイヤモンドの世界市場は、 2021年から2030年の予測期間中、年平均成長率(CAGR)9.8%で成長すると予測しています。 この調査は、工業用に用いられるラボグロウンダイヤモンドも含めた調査内容となっていますが、 アメリカ・ニューヨークを本拠地とするDIGIDAY MEDIAによると、ファッション業界においても ラボグロウンダイヤモンドの市場は2030年には500億ドル市場になると予測しています。

天然ダイヤモンドの高価が以前にもまして高くなっているのに対し、 ラボグロウンダイヤモンドがより安定的に作られるようになり、入手しやすくなっていることや、 ラボグロウンダイヤモンドであれば天然ダイヤモンドではお目にかかることすら難しい、 カラッと数の大きいダイヤモンドもより身近なものとなり、今後ますます市場に浸透していくと予測されています。

ラボグロンダイヤモンドの国内での人気と需要

パンデミックを経験した昨今、サスティナブルの気運が高まっていることもあり、 ラボグロウンダイヤモンドは日本でも急成長中です。 京都の老舗ジュエラーの今与がラボグロウンダイヤモンドブランドのSHINCAをスタート、 2021年には百貨店の松屋が独自でラボグロウンダイヤモンドのENEYを立ち上げるなど、多くのブランドが誕生しています。

本物志向の強い日本ですが、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと 採れる(作られる)場所が違うということ以外の大きな違いはなく、手に届くラグジュアリーとして、 市場に浸透してきており、ここ数年でますます身近なものになっていくことでしょう。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。